
予防歯科
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予防歯科
たいせつなお子さまをむし歯にさせたくない願いがご両親におありだと思います。甘いものの摂取や歯磨きは必須とお考えと思います。
以前から、親から子どもへのう蝕原因菌の感染を予防するために、親とスプーンやコップなどの食器の共有を避けるようにとの情報が広がっています。しかし、食器の共有をしないことでう蝕予防できるということの科学的根拠は必ずしも強いものではありません。
最近の研究で、生後4か月に母親の口腔細菌が子どもに伝播していることが確認されています[1]。食器の共有は離乳食開始時期の生後5~6か月頃から始まりますが、それ以前から親から子どもに口腔細菌は感染しているのです。日々の親子のスキンシップを通して子どもは親の唾液に接触しますので、食器の共有を避けるなどの方法で口腔細菌の感染を防ぐことを気にしすぎる必要はありません。口腔内には数百種以上の細菌が存在し[4]、ミュータンスレンサ球菌だけでなく多くの口腔細菌が酸を産生し、う蝕の原因となりますので、ミュータンス連鎖球菌だけがう蝕の原因菌ではありません[2,3]。食器の共有に気を付けていても、子どものう蝕に差はなかったう蝕は砂糖摂取や歯みがきなど様々な要因で起こるため、食器の共有と子どものう蝕の関連を調べる際にはそうした要因を考慮する必要があります。う蝕に関連する複数の要因を調べた日本の研究では、3歳児において親との食器共有とう蝕との関連性は認められていません[4]。子どものう蝕予防のために親から子どもに口腔細菌が伝播したとしても、砂糖の摂取を控え、親が毎日仕上げみがきを行って歯垢を除去し、またフッ化物を利用することでう蝕を予防することができます。特に、フッ化物の利用は多くの論文でう蝕予防効果が確認されている方法です。フッ化物配合歯磨剤の利用方法は4学会合同の推奨方法が出されていますのでご参照ください[5]。
一番は定期検診やブラッシング指導を受けることが最もおすすめです。あわせて、シーラントはむし歯になるリスクが高い歯の溝を、歯科用プラスチックで塞ぎ、汚れがたまらないように処置する治療です。乳歯は形が複雑なため、シーラント処置は効果的です。とくに奥歯の深い溝は汚れがたまりやすく、むし歯になりやすいところです。奥歯が生え出したらできるだけ早いうちに溝をコーティングするシーラント処理をおすすめします。
むし歯や歯周病は、かかってしまったらもちろん治療が必要です。治療しなければたちまち悪くなってしまうでしょう。
ではなぜ、むし歯や歯周病にかかってしまってからより、予防する方が良いのでしょうか?
その理由は、「むし歯や歯周病というのは、一旦悪くなると元の健康な状態に戻すことが難しいから」です。しかも進行していればしているほど、健康な状態に戻すことが難しくなり、治療してもせいぜい「進行をストップする」ことしかできません。
さらに、むし歯や歯周病というのは、一旦かかってしまうと再発しやすくなります。再発させないためには、それまで以上の努力が必要になります。
つまり、むし歯や歯周病を積極的に予防していくことが、健康な状態を保つ最も簡単で、かつ確実な方法なのです。
むし歯や歯肉炎の原因は歯垢です。この歯垢は丁寧なブラッシングによって、大部分を取り除くことができます。ブラッシングは、みがき残しを防ぐため、1本1本の歯を優しく丁寧にみがくことが基本です。力を入れ過ぎないように注意しましょう。当院では毎回染め出しをして磨き残しをチェックしております。自分でみがく力を育てます。
歯と歯の間の汚れは、デンタルフロスを使用すると落ちやすくなります。糸状のデンタルフロスは、歯と歯のすき間に通して汚れを落とします。当院では毎回フロスを使用します。ホルダーがついたフロスもありますので、最初は使いやすいものを選択してください。
タフトブラシ(1本磨き用)は歯の溝や歯と歯の間の汚れを落とします。子ども用のタフトブラシがありますので、お子さまに合ったものを選びましょう。カラフルな色で痛くない楽しく歯磨きができます。
PMTCとは、専門家が専用の機器を使用して歯を磨き上げる(Professional Mechanical Tooth Cleaning)という意味の略称です。毎日の歯みがきでは落ちない歯の汚れやバイオフィルムを、予防ケアのプロである歯科医師や歯科衛生士が、専門の器具と専用のペーストを用いて、歯面とその周辺の歯周組織から徹底的に除去していきます。このクリーニングによって、汚れの再付着の予防も期待できます。
1
問診票の記入
来院後、まず問診票の記入をしていただきます。
2
カウンセリング
医師・歯科衛生士・スタッフがご記入いただいた問診票を確認しながら、お口に関するお悩みや気になっていることについて伺います。
3
口腔内検査
むし歯や歯肉炎の状態、歯並び、口腔習癖、上唇および舌小帯、また将来むし歯や歯肉炎、歯列不正になりやすそうな部分をチェックして、ご説明します(必要に応じて、口腔内写真、デジタルレントゲン検査、唾液検査などを行います)。また、すぐに治療が必要な歯があった場合には応急処置を行います。
4
お口のプロフェッショナルによるケア
お口の状態と生活環境に合わせて、食事アドバイスや正しいホームケアについて指導します。また、歯垢や歯石の除去、歯面の着色除去、フッ素塗布などを行います。
[1]Kageyama S, Furuta M, Takeshita T, Ma J, Asakawa M, Yamashita Y: High-Level Acquisition of Maternal Oral Bacteria in
Formula-Fed Infant Oral Microbiota. mBio 2022, 13(1):e0345221.
[2]Selwitz RH, Ismail AI, Pitts NB: Dental caries. The Lancet 2007, 369(9555):51-59.
[3]Takahashi N, Nyvad B: The role of bacteria in the caries process: ecological perspectives. J Dent Res 2011, 90(3):294-303.
[4]Wakaguri S, Aida J, Osaka K, Morita M, Ando Y: Association between caregiver behaviours to prevent vertical transmission
and dental caries in their 3-year-old children. Caries Res 2011, 45(3):281-286.
[5]口腔衛生学会、小児歯科学会、歯科保存学会、老年歯科医学会:う蝕予防のためのフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法【普及版】について
[https://www.kokuhoken.or.jp/jsdh/news/2023/news_230303.pdf]